発達支援が必要な子どもに対して行われる「ソーシャルスキルトレーニング」。
具体的にどのようなことをするのか曖昧な保護者の方もいるかと思います。
この記事では、ソーシャルスキルトレーニングの定義や具体的な例についてご紹介していきます。
ぜひ参考にして、家庭でもできそうなことがあれば取り入れてみてください。
もくじ
ソーシャルスキルトレーニングとは
ソーシャルスキルは「社会生活技能」と略され、社会生活の中で人とうまく関わっていくための力のことを指します。
ソーシャルスキルトレーニングは、その力を身につけたり伸ばしたりするために行う訓練で、SSTとも略されています。
療育や発達支援事業を行う施設で取り入れられていますが、家庭でも行うことができる基礎的なトレーニングです。
子どもが保育園や幼稚園、学校などで過ごす上で、友だちとの関わりや集団生活におけるルールなどに繋がる重要なスキルとなるでしょう。
人とのコミュニケーションが苦手な発達障害のある子どもたちにとっては、特に大切な教育だと言えます。
ソーシャルスキルトレーニングの例
ソーシャルスキルトレーニングでは、何を目的としてどのような訓練を行っているのでしょうか。
4つのポイントにまとめて、具体的な例をご紹介します。
●挨拶
挨拶は社会生活の基本であり、人と人の繋がりを円滑に築くために欠かせません。
「おはよう」「さようなら」など基本的な挨拶から、「ありがとう」「ごめんなさい」といったお礼や謝罪の言葉も必要な場面が多いでしょう。
ロールプレイやごっこ遊びなどを通して挨拶をすべき場面や言い方などを学び、適切な振る舞いができるよう導きます。
●感情理解
人間関係を築く上で、自分や相手の気持ち・感情を理解する必要があります。
発達障害のある子は、この感情理解が苦手な場合が多く、うまく伝えられないことでパニックや癇癪として現れがちです。
自分の気持ちを「〇〇が嫌だった」「こうしたい」などうまく言語化できれば、相手に伝わりトラブルも少なくなるでしょう。
また、相手の感情も表情や言葉から理解できるようになることで、うまく関わる方法が見つかりやすいです。
表情のイラストが描かれた絵カードやワークシートなどを用いて、様々な感情があることを理解したり、その時の感情を選んだりしながら表現できるようにします。
●コミュニケーション
他者と良好なコミュニケーションをとる上で欠かせないのが、相手の話に耳を傾けることです。
例えば、「相手の目を見てうなずきながら聴く」「無表情で別の方を見ながら聴く」といったパターンを実際にやってみて、それぞれどのような気持ちだったかを確認します。
また、「相手が話している途中で自分が話し出す」「最後まで聴いてから話し出す」などもいい例になります。
話を聴く姿勢や話すタイミングによって、心地よいコミュニケーションができるかどうか変わるということを学ぶ機会になるでしょう。
●ルールの理解
社会生活のルールや友だち同士の遊びの中でのルールなどが理解できないと、集団行動に困難が生じます。
公共の場での基本的なルール(声の大きさ・立ち振る舞い・禁止事項など)をロールプレイで見て理解したり、ゲームなど遊びを通してルールを守る経験をしたりすることが大切です。
発達障害のある子は曖昧な表現や暗黙のルールなどが苦手な傾向があるため、「あと〇回で終わり」「〇分まで」などはっきりとわかりやすく提示する方が効果的です。
まとめ
ソーシャルスキルトレーニングは、社会で生活する上で欠かせないことを身につける訓練なので、将来のためにも早いうちから取り組むことをおすすめします。
療育や発達支援を行っている施設では専門的な知識を持ったスタッフが様々な手法を用いて支援してくれるので、とても大きな学びの機会になるでしょう。
もちろん家庭でも日常的に習慣づけて行っていけるものもあるので、チャレンジしてみてください。
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