「ペアレンティングスキルトレーニング」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
発達支援が必要な子どもとその保護者において、注目されている手法となります。
この記事では、ペアレンティングスキルトレーニングの基本情報や効果、具体例などについてご紹介していきます。
もくじ
ペアレンティングスキルトレーニングとは
ペアレンティングスキルトレーニングとは、1960年代にアメリカで開発されたプログラムです。
主に知的障害やASD(自閉スペクトラム症)などの子どもを持つ保護者を対象にした、適切な知識や対応を習得するためのトレーニングに当たります。
保護者の日常生活における育児の困り感を軽減させることが目的で、現在では発達障害だけでなく不登校や非行、里親など様々なプログラムが広がっています。
ペアレンティングスキルトレーニングの効果
ペアレンティングスキルトレーニングを受けることで、保護者は子どもに対する適切な指示や褒め方などの対応法がわかり、子どもとの関わりがスムーズになります。
子どもの問題行動に対しても背景にある原因がわかることで落ち着いた気持ちで関わることができ、ストレスや不安が軽減される効果も期待できます。
また、療育機関と並行して家庭でも課題に対するアプローチを行うことで、療育の効果をアップさせたり維持できたりと良い影響になるでしょう。
ペアレンティングスキルトレーニングの例
【主な形式】
・5~8名程度でのグループ形式
・1回の講座は1.5~2.5時間
・全講義は5~10回程度
【主な内容】
① 講義:障害の特性に関する理解や事例を学ぶ
・障害別の行動への理解や分析
・問題行動を事前に防ぐ環境の整え方
・不適切な行動への対処法 等
② グループワーク:講義内容を自身の子どもに当てはめて具体的に考える
・できたことを段階で細かく分けて褒める回数を増やす
・曖昧な声かけではなく、タイマーなどを使って指示を出す
・遊ぶ前にルールを紙に書く 等
③ 実践結果の共有:次回の講義で家庭での実践結果を共有する
・褒め方を工夫したことで、自分でできることが増えた
・具体的に指示を出す方が理解できているため、続けていく
・ルールを決めることが難しいこともあるため、改善する必要がある 等
まとめ
ペアレンティングスキルトレーニングを行うことで、子どもとの関わりが深まり、保護者の育児に対する負担が軽減されます。
グループワークを行うところが多いため、同じ境遇の保護者の話が聞けたり悩みを相談し合ったりと心強く感じられる効果もあります。
保護者の関わり方を変えることで子どもも落ち着いて機嫌よく過ごせる時間が増えるので、悩みを抱えている方はぜひ一度試してみてください。
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